Midjourneyは、テキストを入力するだけで美しい画像を自動生成できるAIツールです。このガイドでは、初心者の方でも簡単に始められるよう、基本操作から応用テクニックまで段階的に解説します。英語が苦手な方でも問題なく使えるよう、具体的な手順を丁寧に説明していきます。
始め方
アカウント登録と初期設定
- Googleで「Midjourney」と検索し、公式サイトにアクセスします
- 「ログイン」ボタンをクリックし、「Continue with Google」でGoogleアカウントを使ってログインします
- Googleアカウントをお持ちでない方は、新規作成してください
Discordとの連携
- Midjourneyの公式サイトにアクセスし、右下の「Join the Beta」をクリックします
- 「招待を受ける」をクリックしてDiscordサーバーに参加します
- ヨットのアイコンが目印のMidjourneyのチャット画面が表示されたら、サーバー参加完了です
- 「newbies-XXX」と書かれているチャンネルをクリックして、チャットルームに入ります
利用規約の同意
- 左上の「ダイレクトメッセージ(Discordのロゴ)」を押して、ダイレクトメッセージを開きます
- 「Midjourney Bot」を選択します
- 利用規約を読み、「Accept TOS」を押して同意します
- 「Start Tutorial」でチュートリアルが見られますが、英語が苦手な方はスキップしてもOKです
プラン選択
- 入力欄に「/subscribe」と入力してエンターを押します(予測変換が出てきたらクリックでもOK)
- 「Manage Account」を押すとプラン選択画面に移動します
- ベーシックプランの場合、単月契約は10ドル/月、年間契約は8ドル/月です
- まずは単月からお試しする場合は、間違えて年間契約にしないよう注意しましょう
基本操作
画像生成の基本
- 左側の「Create」ボタンを押します
- 上部の「what will I imagine」と書かれた入力欄にプロンプト(指示文)を入力します
- 右側の「Submit」ボタンを押すと、4枚の画像が生成されます
プロンプトの入力方法
基本的には英語での入力をおすすめします。日本語でも対応していますが、単語単語で使う場合は問題ありませんが、文章の場合は英語の方が高品質な画像が生成されます。
英語が苦手な方は以下の方法を試してみましょう:
- ChatGPTを使って英語のプロンプトを作成してもらう
- DeepL翻訳などの翻訳ツールを使う
設定オプション
画面右上の設定アイコン(3本線)をクリックすると、様々な設定項目が表示されます。
イメージサイズ(アスペクト比)
- スライダーを左右に動かすか、上部の「Portrait」「Square」「Landscape」で調整できます
- TikTok用なら縦長の9:16、YouTube用なら横長の16:9がおすすめです
スタイリゼーション
- 低い値:プロンプトにより忠実な画像が生成されますが、アート性が少なくなります
- 高い値:非常にリアルな画像になりますが、プロンプトとの関連性が若干弱くなります
- 値の目安:
- 0:リアルさ重視
- 100:デフォルト
- 300:バランス型
- 600:美しさ重視
- 1000:AIらしい美しさ(現実にはいないような人物など)
ウィアードネス(奇妙さ)
- 生成される画像に癖のある、ユニークな要素を加えることができます
- 高い値にすると奇妙な画像が生成されます
バラエティ(カオス度)
- 画像のばらつき具合に影響します
- 高い値:より不均一でユニークな構図や結果になります
- 低い値:4つの画像に対して安定した結果が得られます
- おすすめの値:5〜10(構図を大きく変えずに、ディテールやスタイルを少し変えたい場合)
モデル
- スタンダード:デフォルト設定
- ロー:より写真のような、映画のワンシーンのようなリアルな構図が生成されます
バージョン
- 最新バージョンは7(2025年5月現在)
- バージョン7:高品質だがGPU時間の消費が激しい
- バージョン6.1:品質とGPU時間のバランスが良い
- バージョン2次:アニメスタイルの画像を生成できる特殊モード
スピード
- リラックス:クレジットを消費しませんが、生成に時間がかかります(プランによって使用可能)
- ファースト:デフォルト設定、バランスの取れた速度と消費時間
- ターボ:生成時間が早いが、GPU時間を大量に消費します
ステルス
- 生成した画像を公開するか非公開にするかを設定できます(プロプラン以上で使用可能)
- オン:誰にも公開されない
- オフ:エクスプローラーや検索結果に表示される可能性がある
画像参照機能
大きく3つの参照機能があります:
1. イメージプロンプト
- 既存の画像の構図や雰囲気を参考にして新しい画像を生成します
- 例:犬の画像を参照して「cat」と入力すると、同じような構図の猫の画像が生成されます
2. スタイルリファレンス
- 特定の画像のスタイルや色合いを参考にして画像を生成します
- 例:アニメ調の画像を参照して人物画像を生成すると、そのアニメ調の色合いや雰囲気を継承します
3. キャラクターリファレンス(バージョン7ではオムニファレンス)
- 特定のキャラクターや人物の特徴を維持したまま、別の環境や状況で画像を生成します
- 例:女性の顔を参照して「woman in the forest」と入力すると、同じ女性が森の中にいる画像が生成されます
エディット機能
基本的な編集
- 編集したい画像の右下にある「Edit」ボタンを押します
- アスペクト比の変更:画像の縦横比を変更できます
- 消しゴムツール:画像の一部を消去できます
- リストアボタン:消しすぎた部分を復元できます
スマートセレクト
- 「Smart Select」ボタンを押します
- 選択したい対象をクリックします
- 「Erase Selection」で選択した部分を消去、「Erase Background」で背景を消去できます
- 新しいプロンプトを入力して背景を変更できます
レイヤー機能
- 「Layer」機能を使って複数の画像を重ねることができます
- 「Add」ボタンで新しいレイヤーを追加します
- 各レイヤーで「Paint」機能を使って境界線を調整します
- プロンプトを入力して「Submit」すると、違和感なく合成された画像が生成されます
リテクスチャー
- 画像の構図は維持したまま、スタイルだけを変更する機能です
- 例:通常の画像を水彩画風や特定のアーティスト風に変更できます
料金プラン
ベーシックプラン
- 月額10ドル
- 月に約200枚までの画像生成が可能
- リラックスモード(無制限生成)は使用不可
スタンダードプラン
- 月額30ドル(約5,000円)
- 15時間分の生成時間
- リラックスモード使用可能(無制限生成)
- 商用利用可能
プロプラン
- 月額60ドル
- 生成時間30時間
- 同時実行上限が12本まで可能
- ステルス生成機能使用可能
メガプラン
- 生成時間60時間
- バージョン7の高消費に対応したプラン
まとめ
Midjourneyは誰でも簡単に使えるのに、高品質な画像が作成できるAIツールです。基本的な操作を覚えれば、あとは自分の想像力次第でさまざまな画像を生成できます。まずは基本設定から始めて、徐々に応用テクニックを試していくことをおすすめします。試行錯誤しながら、自分だけのオリジナル作品を作り上げてみましょう。
詳細設定とパラメーター活用法
スタイリゼーションの最適値と使い分け
スタイリゼーションは画像の芸術性とプロンプト忠実度のバランスを調整する重要な設定です。値によって大きく結果が変わります:
- 0: 最もプロンプトに忠実。リアルな写真のような表現を求める場合に最適4
- 100: デフォルト値。Midjourneyの標準的な芸術性が適用される4
- 300: バランス型。程よい芸術性とリアルさのバランスが取れた画像に4
- 600: 美しさ重視。目が大きくなるなど、理想化された表現になる4
- 1000: 完全にAI的な美しさ。現実には存在しないような特徴を持つ人物像など4
プロの使い方:
- 商品写真や建築物は低い値(0〜100)
- ファンタジーキャラクターや芸術作品は高い値(600〜1000)
- 人物ポートレートは300前後で調整
バラエティ(カオス度)の戦略的活用
バラエティ設定は画像のばらつき具合を制御します:
- 0〜5: 非常に安定した結果。4枚の画像がほぼ同じ構図で生成される4
- 5〜10: 推奨値。構図は維持しつつ、細部やスタイルにわずかな変化が生まれる4
- 10〜50: 中程度の変化。同じテーマながら構図に違いが出る
- 50〜100: 大きな変化。同じプロンプトでも全く異なる解釈の画像が生成される4
プロの使い方:
- コンセプト探索初期は高い値(50〜100)で多様なアイデアを生成
- 好みの構図が見つかったら低い値(5〜10)に下げて微調整
- 商業利用では0〜5の低い値で一貫性のある画像セットを作成
高度なプロンプト技術
RAWモードの活用
RAWモードはMidjourneyの特徴的なスタイルを抑え、より自然な表現を実現します:
/settings
コマンドを入力して最新バージョンを使用していることを確認
- プロンプトの最後に
--style raw
を追加2
例:
texta majestic horse crossing a river, photorealistic --style raw
この設定は写真のような自然な表現を求める場合に特に有効です。
詳細なアスペクト比の指定
用途に合わせた最適なアスペクト比を指定できます:
- Instagram投稿:
--ar 1:1
(正方形)4
- Facebook投稿:
--ar 2:1
(横長)4
- Instagram Story:
--ar 1:2
(縦長)4
- YouTube:
--ar 16:9
(横長ワイドスクリーン)4
- Pinterest:
--ar 11:16
(縦長)4
- TikTok:
--ar 9:16
(縦長)4
プロの使い方:
- 複数のSNSで使用する場合は、最も重要なプラットフォームに合わせたアスペクト比で生成
- 特殊な比率が必要な場合は、例えば
--ar 2.35:1
のように小数点を含む値も指定可能
画像編集の高度なテクニック
スマートセレクトの活用法
スマートセレクトは画像の特定部分を選択するための強力なツールです:
- エディター画面で「Smart Select」ボタンをクリック3
- 選択したい対象領域をクリックして最初の「Include(含める)」ポイントを設定3
- さらにポイントを追加して選択範囲を調整:
- 「Include」ポイントで選択を広げる
- 「Exclude(除外)」ポイントで選択から外す部分を指定3
- 選択が完了したら、以下のいずれかを選択:
- 「Erase Selection」:選択範囲内を消去
- 「Erase Background」:選択範囲外を消去3
- 必ず「Erase Selection」か「Erase Background」を適用してから編集を進める3
プロの使い方:
- 複雑な形状は多数のポイントを使って正確に選択
- 人物と背景の境界は「Exclude」ポイントを使って細かく調整
- 選択をリセットしたい場合はリセットボタンを使用
レイヤー機能の高度な活用
レイヤー機能を使って複雑な合成画像を作成できます:
- エディター画面で「Layer」パネルを開く3
- 「Add」ボタンをクリックして新しいレイヤーを追加3
- レイヤーの順序は、クリック&ドラッグで変更可能3
- 不要なレイヤーは、マウスオーバー時に表示されるゴミ箱アイコンで削除3
- チェックマークがついているレイヤーがアクティブレイヤーとなり、編集ツールが適用される3
- 各レイヤーで「Paint」機能を使って不要な部分を消去し、境界を調整3
- レイヤーの配置が完了したら「Submit」ボタンで編集を確定3
重要なポイント:
- レイヤーを結合すると、透明部分(グレーのチェッカーパターン)のみが再生成される3
- 画像全体を一貫したスタイルで再生成したい場合は「Retexture」機能を使用3
リテクスチャー機能の活用
リテクスチャー機能は画像の構図を維持したままスタイルを変更できる強力な機能です:
- エディター画面で「Retexture」を選択
- 変更したいスタイルを指定するプロンプトを入力(例:「watercolor painting style」)
- 特定のアーティストのスタイルを指定することも可能(例:「in the style of Monet」)
- 「Submit」をクリックして処理を実行
プロの使い方:
- 複数のレイヤーを組み合わせた後、リテクスチャーで全体の統一感を出す
- スタイルリファレンス(–sref)と組み合わせてより正確なスタイル変換を実現
バージョン7の新機能と特徴
強化された画質とリアリズム
V7では以下の点が大幅に改善されています:
- テクスチャ、照明、解剖学的正確さのレンダリングが向上5
- 手、顔の特徴、複雑なオブジェクトの表現が改善5
- プロンプトの解釈と実行の精度が向上し、ユーザーの期待により近い画像が生成5
ドラフトモード
V7の注目機能「ドラフトモード」の特徴:
- 標準レンダリングの10倍の速度で画像生成5
- 通常の半分のコストで利用可能5
- 品質はやや低下するが、アイデア出しや概念検証に最適5
- ブレインストーミングセッションで複数のコンセプトを素早く視覚化できる5
パーソナライズ機能
V7はデフォルトでパーソナライゼーション機能が有効化されています:
- 一連の画像を評価することで機能を有効化5
- システムが個人の美的好みを学習5
- 生成される画像がユーザーの好みに合わせて調整される5
プライバシー設定(ステルスモード)
ステルスモードの設定方法
プロプラン以上のユーザーは、生成した画像を非公開にできるステルスモードを利用できます:
- Discordで
/private
コマンドを入力してステルスモードをオン6
- または
/settings
コマンドを使用し、「Public Mode」と表示されているボタンをクリックして「Private Mode」に切り替え6
- 公開モードに戻すには
/public
コマンドを入力するか、設定から切り替え6
重要な注意点:
- プライバシーオプションは基本プランに20ドル追加で利用可能6
- ステルスモードを解約した後も、非公開で生成した画像は一般公開されない6
- PG-13フィルターは引き続き適用される6
高度な参照機能
オムニファレンス(V7)
V7ではキャラクターリファレンスが「オムニファレンス」に進化しました:
- 人物だけでなく、あらゆるオブジェクトの参照が可能に
- 参照画像の特徴をより正確に維持したまま新しい環境や状況で画像を生成
- 複数の参照画像を組み合わせることも可能
使用例:
text/imagine woman in forest --iw 0.5 --reference [URL1] --reference [URL2]
高度なイメージブレンド
/blend
コマンドを使用して最大5つの画像を合成できます:
/blend
コマンドを入力
- 合成したい画像(最大5枚)をアップロード8
- 合成された新しい画像が生成される8
プロの使い方:
- 異なるスタイルの画像をブレンドして新しい芸術表現を探索
- 複数の参照画像からベストな要素を組み合わせる
時間と費用の最適化
GPU時間の効率的な管理
Midjourneyは生成時間を基準に課金されるため、効率的な使用が重要です:
/info
コマンドで残りの高速生成時間を確認8
- 時間に余裕がある場合は
/relax
コマンドを使用して無制限の低速生成モードに切り替え8
- バージョン7は消費が激しいため、アイデア出しはV6.1で行い、最終画像のみV7で生成
プロンプトショートカットの活用
時間を節約するためのプロンプトショートカット機能:
--
の後に任意の名前を付けてショートカットを作成8
- 頻繁に使用するパラメータセットをサフィックスとして保存し、すべてのプロンプトに自動的に追加8
例:
text/prefer suffix --v 7 --s 750 --style raw
これで、以降のすべてのプロンプトにこれらのパラメータが自動的に追加されます。
画像分析と逆エンジニアリング
画像からプロンプトを生成
既存の画像からプロンプトを生成する方法:
/describe
コマンドを使用8
- 分析したい画像をアップロード8
- システムがその画像に基づいたプロンプト候補を生成8
プロの使い方:
- 気に入った画像のスタイルを分析して類似画像を作成
- 他のAIツールで生成された画像のプロンプトを推測
ジョブIDの活用
特定の画像を再作成または参照するためのジョブID活用法:
- 気に入った画像のジョブIDをコピー8
- そのIDを使用して同じ設定で新しい画像を生成8
- 他のユーザーと特定の生成設定を共有する際にも使用可能8
まとめ
Midjourneyは直感的なインターフェースの裏に非常に奥深い機能を持っています。基本操作をマスターした後は、この詳細マニュアルを参考に高度な設定やテクニックを試してみてください。特にV7の新機能、レイヤー機能、リテクスチャー機能を組み合わせることで、これまで以上に複雑で美しい画像を作成することが可能です。
実験と試行錯誤を恐れず、自分だけの表現スタイルを見つけてください。Midjourneyの真の力は、ユーザーの創造性とツールの可能性を組み合わせたときに発揮されます。
Happy creating!